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Kenny Gamble & Leon Huff と Thom Bell

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                          Kenny Gamble & Leon Huff


ギャンブル&ハフ、トム・ベルといえばレーベル「フィラデルフィア・インターナショナル(PIR)」。
シグマ・スタジオでフィラデルフィア・サウンドを作った人たちとして一般的に知られています。

オージェイズ、ハロルド・メルビン&ブルーノーツ、スタイリスティックス、スピナーズ、スリー・ディグリーズ、ビリー・ポール、ルー・ロウルズあたりのメガヒットでおなじみだが、彼らはいきなりこれらの成功を収めたわけではない。

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                               Thom Bell


フィラデルフィアでの初期のヒット曲量産レーベルとしては50年代中期に設立されたカメオ・パークウェイが最初で、チャビー・チェッカーの一連のツイストもので「フィリー=ダンスミュージック」という図式ができあがったわけだが、実はそのカメオ・パークウェイで裏方として働いていたのがこのギャンブル&ハフやトム・ベル、MFSBの面々だったというわけです。



イントゥルーダーズ(ギャンブル&ハフ)、デルフォニックス(トム・ベル)はそんな彼らが最初に手がけたアーティスト。その後、トランプスやアーチー・ベル&ドレルズ、マクファーデン&ホワイトヘッド、フューチャーズ、ジョーンジス、エボニーズ、ジャクソンズといった知られている人たちのほかにもパティ・ラベルやジェリー・バトラー、ジョー・サイモンといったフィリーとは呼べない人たちもこのプロダクションでアルバムを製作しています。また意外なところではローラ・ニーロ、エルトン・ジョンやダスティ・スプリングフィールド、デビッド・ボウイといった白人ミュージシャンや、デルズ、カーティス・メイフィールドみたいな大物もフィラデルフィアで録音している。

ローラ・ニーロはまだフィラデルフィアサウンドが確立される前にシグマスタジオで録音しているのでサウンドはまだノーザンスタイルに近いが、彼女の先見の明を感じます。

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当時、アトランティック・レコードに所属していたベン・E・キングは「アトランティックはポップなものを作りたがっていたけど、フィラデルフィアは常にゴスペルを基本にした黒いサウンドをやっていた・・・」みたいなことを言ってました。この発言は一般的なわれわれ日本人にはオーティスやアレサがいたアトランティックこそゴスペル的で、フィラデルフィアサウンドは歌謡曲の元ネタみたいなポップなのにベンEキングは何を言ってるのだろうと思ったものですが、多くのソウルを聴いてきた耳にはベンEの言ってたことが理解できるようになった気がします。

ストリングスやファルセット・ボーカルに覆われて見えにくい真実のブラックミュージックがここには間違いなくあります。

今となってはアル・グリーンあたりも実はフィリーサウンドを目指していたのではないかと感じています。

by swan_ox | 2008-04-17 13:47 | ソウル